デスクワークでの肩こりの原因は?
デスクワークをしているとき、いわゆる猫背のような姿勢になりがちだと思うのですが、そういった姿勢で長時間いると僧帽筋という筋肉の上部繊維が過剰にストレッチされてしまいます。

赤い部分が僧帽筋の上部繊維。
僧帽筋の上部繊維は
起始
- 後頭骨( 上項線お よび外後頭隆起)
- 項靭帯を介するすべての頚椎の線突起
停止
- 鎖骨外側1/3
となっており、この筋肉が縮むと後頭骨と肩甲骨を近づけます。
わかりやすくいうと肩を背骨の方へ寄せて上げつつ、頭が上を向いてくる感じです。
また、何もしていないときも肩が下がりすぎないように吊ってくれています。
猫背のように丸まった姿勢の場合は頭は前に垂れ、肩は前に出るため僧帽筋上部の働きと逆になりストレッチの姿勢となります。
ストレッチと聞くと身体によさそうな気もしますが、ストレッチを長時間行うと痛みに繋がったり、力が入りにくくなったりしますので、このパターンの肩のだるさは筋肉が硬くなって起きているのではなく、伸ばされすぎて力が入りにくくなってしまい、肩を吊るすのがしんどくて起きているのです。
改善方法は?
伸びすぎた筋肉を縮めるようなトレーニングが必要となります。
具体的には動画の2:48あたりの動きを参考にして頂きたいのですが、やや上体を倒したまま、頭を上げながら肩を後方にすくめる動きとなります。
このとき前に肩をすくめないようご注意ください。それは異なる筋肉を使うことになるので。
一番上げた位置で1秒程度キープし、下ろすというのを10回繰り返すのを1セットとし、合計で1日3セット程度を行う。
朝や夜にまとめて実施するのもいいですが、出来れば昼休みや仕事合間にもやってもらった方が姿勢が悪くなりにくいのでオススメです。
継続していくことで段々と力が入ってくるようになり、姿勢やダルさが改善されていくはずです。
日常で気をつけることは?
トレーニングを継続することでかなり高い確率でダルさを軽減することが出来ると思いますが、日常の姿勢が悪いままだとやはり完璧にはよくなりません。
そのため、日常から姿勢に気をつける必要があるのですが、意識の問題よりも環境の問題で姿勢が悪くなっている場合が多いと思うので、まずはそこを見直してみましょう。
私が指導してきた中で多いなと感じるのは
- 椅子と机の距離が遠い
- 机の高さが低い
の2つです。
椅子の位置が遠いとどうしても猫背のような姿勢になって作業する可能性が高くなりますし、身体の大きさに対して机の高さが低い場合も肘をつけるために身体を丸める必要があります。
環境を改善していないといくらトレーニングを繰り返しても改善しにくいため、まずは環境を見直しましょう。
動画の補足
今回の内容はストレッチされすぎているパターンで説明しましたが、そもそも力が入りにくくなっているせいで肩がだるくなっているパターンもあります。
動画では触れなかったのでそちらのパターンの解説をしておきます。

上の画像の赤い部分が胸鎖乳突筋という筋肉です。
僧帽筋は副神経という神経が支配神経なので、副神経が圧迫を受けてしまうと力が入りにくくなってしまいます。
そして圧迫を受けやすいポイントが画像の胸鎖乳突筋の上部。
だるい方の肩と同じ側の胸鎖乳突筋の耳の近くあたりを弱い力で押しながらさするようにしてみてください。
強い力で押してしまうと逆にもっと力が抜けてしまうので要注意です。また触りすぎも要注意です。やればやるほど良いとかではないです。
胸鎖乳突筋の位置がわからない場合は触りたい方の胸鎖乳突筋に触れつつ、やや頭を前側に倒しながら反対を向くとボコッと浮き出てきますので、そちらで確認してみてください。
自分でやるよりも周りに頼れる専門家がいるのであればその方にやってもらった方が確実ですし、そちらを推奨します。
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